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法改正情報26

産前産後休業期間中の社会保険料が免除!

すでに育児休業期間中の社会保険料(健康保険・介護保険・厚生年金)については免除されていますが、次世代育成支援の観点から、昨年の通常国会で審議可決され「平成24年法律第62号」として公布されていましたが、この度、政令で施行日が平成26年4月1日となりました。  

法律の条文  

厚生年金保険法(第81条の2の2「産前産後休業期間中の保険料の徴収の特例」)  

  • 産前産後休業をしている被保険者が使用される事業所の事業主が、厚生労働省令の定めるところにより厚生労働大臣に申出をしたときは、第81条第2項の規定(筆者注;保険料の徴収規定)にかかわらず、当該被保険者に係る保険料であって産前産後休業を開始した日の属する月からその産前産後休業が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間に係るものの徴収は行わない。

健康保険法(第159条の3)  

  • 産前産後休業をしている被保険者が使用される事業所の事業主が、厚生労働省令で定めるところにより保険者等に申出をしたときは、その産前産後休業を開始した日の属する月からその産前産後休業が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間、当該被保険者に関する保険料を徴収しない。

実務上の留意事項  

  • 具体的な手続きとしては、基本的に育児休業の場合と同様に、被保険者(従業員)から産前産後休業の申出があった場合に、事業主が日本年金機構(所轄年金事務所)に行うことになります。この場合、育児休業のときは「健康保険・厚生年金保険育児休業等取得者申出書」により行うことになっていますが、産前産後休業に係る様式はまだ公表されていません(ほとんど同じ様式になるものと思います)
  • 上記の法律の条文で「産前産後休業を開始した日の属する月から」となっていますが、産前の休業の場合は原則として6週間前(多胎妊娠の場合は、14週間前)からと規定(労基法第65条)されていますが、いつから産前休業を取得するかはあくまで6週間以内の本人の請求する日からとなっています。つまり、原則の6週間前から取得するか、業務の都合や本人の体調等から5週間前から又は4週間前から取得することも考えられ、個人差があり注意する必要があります。
  • 一方、産後の休業(出生日は産前に含まれる)については原則として8週間は強制休業となりますが、産後6週間経過後に本人が就労したい場合で、医師が支障がないと認めた業務に就かせることができるため、この場合も個人差が考えられます。
    ただし、多くの妊産婦は引き続き育児休業を取得することが多いと思いますが、育児休業期間は産後休業を含めて原則1年間とされていますので、この場合も個人差が考えられます。
  • 条文の「産前産後休業が終了する日の翌日が属する月の前月まで」に関して、当該終了する日が月の末日である場合には、その終了月まで免除されることになります(育児休業の場合も同じ扱い)。
  • 今回の決定により、施行日までに事業所の就業規則の改定が必要となりますので、忘れずに行ってください。

具体的な手続等  

産前産後休業期間中の保険料免除  

  • 平成26年4月30日以降に産前産後休業が終了となる者(平成26年4月分以降の保険料)が対象となります。

(筆者注)例えば4月30日に終了となる場合、保険料の免除は「終了日の翌日が属する月の前月まで」の期間が免除となるため、この場合は、4月分の1か月分が免除になるという意味です。したがって、例えば4月25日に終了する場合は、終了日の翌日(4月26日)が属する月の前月は3月となり、免除の対象とはならないため、4月30日以降に終了する者としているのです。

  • 産前産後休業期間中[産前42日(多胎妊娠の場合は98日)、産後56日のうち、妊娠又は出産を理由として労務に従事しなかった期間]の保険料が免除されます。

(筆者注)実際の出産が出産予定日よりも早くても、又は遅い場合でも出産日は産前に含まれます。したがって、産後とは出産日の翌日からとなります。

  • 手続として、事業主は『産前産後休業取得者申出書』を提出する必要があります(詳細は後記参照)

産前産後休業を終了した際の標準報酬の改定  

  • 平成26年4月1日以降に産前産後休業が終了となる者が対象となる。
  • 産前産後休業終了後に給与等の報酬が下がった場合は、産前産後休業終了後の3か月間の報酬額をもとに新しい標準報酬月額を決定し、その翌月から改定されます。
  • 手続は、被保険者(事業主経由)は、『産前産後休業終了時報酬月額変更届』を提出する必要があります。
    ただし、産前産後休業を終了した日の翌日に、引き続いて育児休業を開始した場合は提出できません。
    特例措置終了のイメージ

産前産後休業得期間中の保険料免除の手続例(図解)  

「産前産後休業取得者申出書」は、産前産後休業期間中に提出すること。  

出産前」に産休期間中の保険料免除を申し出した場合  

(1) 出産予定日より「」に出産した場合

 〇坐圧拔罰始後に、「産前産後休業取得者申出書」を提出する

◆―仍左紊法峪坐飴左綉拔伴萋声塋儿(終了)届」を提出する。

画像の説明

(2) 出産予定日より「」に出産した場合

 〇坐圧拔罰始後に、「産前産後休業取得者申出書」を提出する

◆―仍左紊法峪坐飴左綉拔伴萋声塋儿(終了)届」を提出する。
画像の説明

(筆者注)実際の出産日は「産前」期間に入るため、(1)の出産予定日より「前」に出産した場合は、出産日の翌日から「産後」期間となること、
また(2)の出産予定日より「後」に出産した場合は、同じく出産日の翌日から「産後」 期間となり、それぞれ、産後56日間が産後休業期間となりその終了日を確定することが可能なため、(1)も(2)も、出産後に「産前産後休業取得者変更(終了)届」を提出することになります。
なお、(1)の場合で、出産日当日以前42日間の中で、産前休業を取得した以前に労務に服さなかった期間があれば「産前産後休業取得者変更(終了)届」により産前期間を変更することができます。
また、(2)の場合は、出産予定日の翌日から出産日当日までの日数(α)も含めて「産前」期間となります。

(3) 出産予定日に出産した場合

 〇坐圧拔罰始後に、「産前産後休業取得者申出書」を提出する

◆,修慮紂⊇仍才縦蠧どおりに出産した場合は、「産前産後休業取得者変更(終了)届」の提出は不要となります。

出産後』に産休期間中の保険料免除を申出した場合  

  • 出産後に「産前産後休業取得者申出書」提出する(出産予定日、出産日の両方を申出する。)。
    画像の説明

産休終了予定年月日の前までに産休を終了した場合  

  • 当初申出した,了叉拿了予定年月日よりも前に産休を終了した場合は、 「産前産後休業取得者変更(終了)届」により終了日を提出する(ただし、終了予定日どおりに終了した場合は、届出は不要)。
    画像の説明

(筆者注)(注) 原則として、産後8週間(56日)を経過しない女性を就業させることはできません(強制休業期間)。
ただし、当該女性の業務上の都合や責任ある職務に就いているような場合、1日でも早い就業を望まれる 場合があります。しかし、その場合であっても、 産後6週間(42日)を経過した女性が請求した場合、 その女性について医師が診察し、支障がないと認めた業務に就かせること、は可能です。
したがって、産前産後休業前の職務に直ちに就くことができるということではありません。産後8週間という期間は、出産という母体に大変な負荷をかけることであり、産後の母体の状況も個人差があること から、医学的な知見に基づいた最低限の休業期間といえるため、使用者は十分注意する必要があります。

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