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法改正情報37


平成29年度地域別最低賃金額改定の目安公表

〜Aランク26円、Bランク25円、Cランク24円、Dランク22円〜

平成29年7月25日に開催された中央最低賃金審議会において、本年度の地域別最低賃金額改定の目安について標記の通り決定し、7月27日に塩崎厚生労働大臣に答申を行うこととしています。
 

答申のポイント  

ランクごとの目安  

  • 各都道府県の引上げ額の目安については、Aランク26円(昨年度25円)、Bランク25円(同24円)、Cランク24円(同22円)、Dランク22円(同21円)となっており、ランク別の都道府県の詳細は下表のとおりです。
(注) 「ランク」は、都道府県の経済実態に応じ、全都道府県をABCDの4ランクに分けて、引上げ額の目安を提示しているものです。&br;現在、Aランクで6都府県、Bランクで11府県、Cランクで14道県、Dランクで16県と分類されています。
ランク都道府県
A千葉、東京、埼玉、神奈川、愛知、大阪
B茨城、栃木、富山、山梨、長野、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、広島
C北海道、宮城、群馬、新潟、石川、福井、岐阜、奈良、和歌山、岡山、山口、徳島、香川、福岡
D青森、岩手、秋田、山形、福島、鳥取、島根、愛媛、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄
  • 今後は、各地方(都道府県)最低賃金審議会で、この答申を参考にしつつ、地域における賃金実態調査や参考人の意見等も踏まえた調査審議の上、答申を行い、各都道府県労働局長が地域別最低賃金額を決定することとなります。
  • 本年度の目安が示した引上げ額の全国加重平均は25円(昨年度は24
    円)となり、目安額どおりに最低賃金が決定された場合、最低賃金が時給で決まるようになった平成14年度以降で、最高額となる引上げとなります。
  • 今回の目安額どおりに最低賃金が引き上がると、都道府県別で最高の東京が958円となり、最低の鳥取、沖縄の2県が736円であり、その格差は222円と年々拡大傾向にあり、最低賃金の低い地域では労働力の外部流出が起こりかねないと危惧する声も上がっている。

目安に関する小委員会報告  

労働者側見解  

  • 労働者側委員は、最低賃金の水準が依然として低く、地域間の格差が拡大傾向にある。生計費を考慮し、当面目指すべき水準として、最低賃金額が800円以下の地域をなくすことが急務であり、Aランクについては1,000円への到達を目指すべきである。
  • 現在の地域別最低賃金額の水準で法定労働時間働いた場合でも年収200万円に到達せず、最低賃金法(昭和34年法律第137号)第1条の「賃金の低廉な労働者の労働条件の改善を図る」という法目的に鑑みて低水準である。

[ 参考 最低賃金法第1条(目的) ]
この法律は、賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もって、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

使用者側見解  

  • 「働き方改革実行計画」(平成29年3月28日働き方改革実現会議決定)に記載されている最低賃金に関する内容は、これまで政府が示してきた方針と同様のものであり、その意味は、毎年機械的に最低賃金を3%程度引き上げるのではなく、名目GDP成長率が3%に達しない場合には、そうした状況を考慮しながら最低賃金の引上げ額を議論することである。
  • 中小企業については、倒産件数は減少しているものの、企業数は、2009年の420万から2014年には381万社に減少するなど廃業は依然として多く、人手不足や事業継承の問題も深刻化しており、総じて厳しい経営状況にある。
  • 最低賃金の大幅な引上げには、当該引上げの影響を受けやすい中小零細企業に対する効果的な生産性向上等の支援策の実施や拡充が不可欠である一方、政府の施策の十分な成果が見られないまま最低賃金の大幅な引上げだけが先行して実施されてきており、今年度についても合理的な根拠を示さないまま、最低賃金の大幅な引上げの目安を提示することとなれば、目安制度、ひいては最低賃金の決定プロセス自体が成り立たなくなるのではないか。

[ 参考 ] 非正規労働者:変わらぬ生活苦、中小企業: 賃上げ限界(新聞報道から)  

  • (事例)「時給810円(注:北海道の場合、答申通り引き上げられると810円となる)に上がっても、生活に余裕なんてできない」。札幌市内の福祉事業所で働く40代の女性は諦めたように語った。
    女性の時給はげんざい、最低賃金と同じ786円。16年前に離婚後、娘2人を一人で育ててきた。5年前に次女が入院し、融通がきく今の職場に転職して1日6時間、週4日働くが、月収7万円程度。長女のアルバイト代と生活保護費を加え、何とか切り盛りしている。
    入院していた次女を先月亡くした。葬儀は家族だけで行ったが、お墓のめどは立たない。「どうにかしてあげたいけど貯金もない」
  • (事例:中小企業)札幌市内のビル管理業を営む会社の社長は「経営を直撃する」と。
    同社は清掃員や警備員約400人のパート・アルバイトを抱える。24円上がると人件費は1か月約120万円増え、利益がでなくなるという。
    社長は「ビル管理業は20年以上、管理費の値上げもできていない。雇用を守るのが使命と思ってやってきたが、もう限界に近い」と語った。
  • 道労連と静岡県立大学短大部の中沢秀一准教授(社会保障論)は昨年、組合員の生活実態を調べ、健康で文化的な生活を送るために必要な費用を試算した。札幌市の25歳単身男性では時給約1300円だった。
    中沢准教授は「今回の引き上げでも、憲法が保障する最低限度の生活を送れない現状は変わらない」と指摘する。
    北海道と他都府県との格差も広がったままだ。北海道の最低賃金の目安は全国平均を38円下回った。中沢准教授は「これでは道外に労働力が流出し地方経済が衰退する」と危機感を示した。

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