ES経営が中小企業を強くする!

労務管理ドットコム

労務管理ドットコム

「労務管理」とは、経営管理の一分野であり、労働者を経営目的に適合した状態に置くための一連の諸方策のことをいいます。  

組織の活性化とは  

「組織」とは  

  • 米国の経営学者であり、実業家でもあるチェスター・I・バーナードは組織を「2人以上の人々の意識的に調整された活動や諸力のシステム」と定義しました。
  • つまり、2人以上の人々が役割を分担して協働しようとするとき、そこには組織が発生することになります。

組織の成立条件とは(3点)  

1.「共通目的」を持っていること。

  • 共通目的とは、言い換えれば経営目的のことです。経営目的は経営者によって明確にされ、それが組織の構成員に理解され、受け入れられなければなりません。そうでない場合は、共通目的とはなりません。

2.組織の構成員に「貢献意欲」が存在すること。

  • 貢献意欲とは、共通目的の実現のために各個人が努力しようとする思いのことであり、そのためには「組織の均衡条件」が成立していなければならない。

3.「コミュニケーション」が存在すること。

  • コミュニケーションとは、意思の伝達行為と伝達経路のことであり、コミュニケーションが存在するからこそ、共通目的に向けて個人の貢献意欲が引き出されるようになります。

組織の均衡条件とは  

  • 組織が存続し続けるためには、「均衡」と呼ばれる状態を実現することが必要とされております。
  • 組織の構成員には、組織からさまざまな「誘引」を受けます。例えば、組織内の融和や仲間意識、相互扶助、報酬、名誉、優越感、安全な作業環境等、そして最も理想の恩恵と言われるのは、働く誇り、適性感、組織への忠誠、利他的な奉仕などです。
  • これらの誘引に対して構成員は組織に対して労働力の提供や各種アイデアの提供といった「貢献」を行います。
  • そしてこの両者の間に「誘引≧貢献」という状態を保ち続ける限り、組織は構成員が満足できるだけの報酬を与え続けることができます。この条件式のことを「組織の均衡条件」といいます。

組織活性化の手法  

1.人間心理に訴える手法

  • 目的や手法の設定過程そのものを明確にし、周知徹底する。
  • 職務に関する機能、役割、意味付けの質や重要性を向上させる。
  • 顧客満足度や市場調査などで外部環境の変化を認識させる。
  • シミュレーション等で、新たな手法によって現状よりも利益が向上することを示す。
  • 現状では、緊急・重要事態への対処能力がないことを認識させる。

2.組織構造や制度の変更による手法。

  • 組織構造の再設計
    • 部門の統廃合、新部門の設置、人材の異動等。
  • ビジネスプロセスの変更
    • 分権化、集権化、自動化、マニュアル化等。
  • 人事施策の変更
    • 採用基準、昇進基準、教育・評価方法の変更等。

活性化された組織とは  

  • 顧客や競合他社など外部環境に敏感になること。
  • 社内より顧客を重んじること。
  • 社会への貢献を重んじること。
  • 構成員の個性を尊重すること。
  • 社内や組織内での情報共有を重んじること。
  • 組織目標に向かって一丸となること。

モチベーション向上のための条件とは  

  • モチベーション(Motivation=動機づけ)理論としては、マズローの「欲求5段階説」、マグレガーの「X理論・Y理論」、ハーズバーグの「動機付け・衛生理論」等が有名ですが、これらは「行動科学論」に基づいた考え方であり、''
    人間はこうすればこうなる''という視点に立っています。
  • しかし、実際の人間はそれほど単純ではなく、自分を取り巻く環境や自分自身の価値観によって動機づけは変化するものです。ブルームやポーター&ローラーはこの点に着目して「期待理論」を提唱しました。
  • 期待理論では、自分の努力「結果」=「報酬」に結びつき、それが自分にとって魅力的であることが動機づけになるというものです。つまり、人間はより一層努力してより高い業績を上げれば、より大きい報酬に結びつくと期待しているので、この報酬に対する期待の大きさと、それに対して感ずる魅力の大きさである「誘意性」との相関の強さによって動機づけられるというものです。
  • 従って、企業が従業員のモチベーション向上のための施策が効果的に従業員の動機づけに結びつくためには、次の2つの条件を備える必要があります。
  • 企業は従業員にとってどのような報酬がより大きな誘意性を持っているかを分析し、明確に理解していること。
  • 企業は高い誘意性を持つ報酬が従業員の業務遂行努力に結びつくようにするために、従業員の努力・成果と報酬との体系を構築すること。
  •  具体的には、従業員の労働の対価としての企業から支払われるものに「金銭的報酬」「非金銭的報酬」があります。
    • 金銭的報酬とは、給与、福利厚生制度やインセンティブ制度(ストックオプションや従業員持株会制度など)のことを指します。
    • 非金銭的報酬とは、職務それ自体から得られる充実感であり、困難な課題への「チャレンジ感」、任されたことに対する「責任感」、成し遂げたときの「達成感」などを指します。

※ただし現実には、これにがポジティブに働いているとは限らず、そのために従業員の悩みを聞く体制等の構築を含め、各従業員の状況について極力、理解しておくことが必要となります。

労務管理は労働時間管理から  

労働時間とは  

  • 労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下で働く時間のことであり具体的には、就業規則において始業時刻と終業時刻で明確にしておくことになります。これをその企業における「所定労働時間」といいます。
  • 現行の労働基準法では「法定労働時間」が定められており、1週間において休憩時間を除いて40時間以内に、かつ、1日に休憩時間を除いて8時間以内とするように規定が置かれています(第32条)
  • 昭和62年までの旧労働基準法では、休憩時間を除き1日8時間、1週間に48時間以内と定められていました。つまり、旧法では最初に1日の労働時間が8時間以内と規定され、その1週間の積み上げの上限を48時間としていたのです。
  • 現行法では、最初に1週40時間以内と規定し、週内に配分する場合の1日の上限が8時間以内とする考え方にあり、各日ごとの労働時間の割り振りが柔軟な発想となっております。
  • 経営者のなかには未だに旧法の考え方が染み込んでいる方もおり、注意すべき点です。

労働時間の例外  

1.労働時間の割振りの例外=「変形労働時間制」

  • 労基法に定める変形労働時間制は、1日8時間の勤務時間を割振るという、その割振り方に例外を設けることによって勤務時間の弾力化を図るという構成を採っております。
  • さらに週単位の労働時間も一定期間内で平均して1週40時間が確保できる範囲内で割振りの例外を認めているものです。

変形労働時間制の趣旨(昭63.1.1基発1号)

  • 変形労働時間制は、労基法制定当時に比して第三次産業の占める比重の著しい増大等の社会経済情勢の変化に対応するとともに、労使が労働時間の短縮を自ら工夫しつつ進めていくことが容易となるような柔軟な枠組みを設けることにより、労働者の生活設計を損なわない範囲内において労働時間を弾力化し、週休2日制の普及年間休日日数の増加、業務の繁閑に応じた労働時間の配分等を行うことによって労働時間を短縮することを目的としたものであること。
  • 変形労働時間制は、週40時間の原則に合致しているかどうかを、一定の労働時間算定期間(変形期間)の中で判断するという仕組みです。従って、厳格に満たしていることが求められるのは週40時間の原則であり、1日8時間の原則は緩和されています。
  • 例えば1年単位・1週間単位の変形労働時間制では、1日当たりの労働時間は10時間まで緩和されるし、1か月単位の変形労働時間制やフレックスタイム制では、1日当たりの上限は設定されていません。

2.労働時間延長の例外=三六協定(第36条)

  • 使用者が過半数組合又は過半数労働者との間で三六協定を締結し行政官庁に届け出れば、労働時間及び休日の規定にかかわらず三六協定に定める範囲内で、労働者を時間外及び休日に労働させることができます。つまり、三六協定には時間外労働等をさせても使用者は処罰されなくなるという免罰的効力があります。故に、この三六協定の行政官庁への届出義務は効力既定であり、届出がされなければ免罰効果も生じないことになります。
  • 労働時間を延長し又は休日に労働させた場合には、通常の賃金の2割5分以上5割以下の範囲で割増賃金を支払わなければなりません(第37条)
    なお、労働時間の延長を適正なものとするために、厚生労働大臣により労働時間延長の限度基準が設定されております(厚生労働省告示第355号)
  • ただし、三六協定の限度時間を超えて時間外労働を行わなければならない「特別の事情」が予想される場合には、「特別条項付協定」を結ぶことにより、限度時間を超えて時間外労働を延長することができます。この場合「特別の事情」には次のいずれにも該当する必要があります。

    (1)一時的又は突発的であること。

    (2)全体として1年の半分を超えないことが見込まれること。

労基法の一部改正>平成22年4月1日施行予定

  • 特に時間外労働関係についての改正が行われました。

1.「特別条項付協定」の場合、月45時間を超える時間外労働に対する割増賃金率も定めること(法定の25%を超える率への努力義務)

※施行日までに厚生労働省から基準について告示されます。

2.1か月60時間を超える時間外労働については法定割増賃金率が50%以上となります。

※中小企業については、当分の間、運用が猶予されます。

※この措置は時間外労働についてのみであり、休日又は深夜労働については現行通りです。

3.前項の2.について、60時間を超える時間外労働分について、法定割増率の引上げ分(50%−25%=25%分)について、割増賃金の支払いに代えて有給休暇を付与することができる。

※施行日までに省令等で、より明確になるものと思います。

3.労働時間把握の例外=みなし労働時間制

  • 労働時間管理の一つである労働時間の把握(あるいは算定)については使用者が行うことが義務付けられております。しかし、労働時間の把握が困難な場合に、これを行わずに労働時間数を一定の時間数であるとみなしてしまう制度、すなわち「みなし労働時間制」が設けられております。
  • みなし労働時間制には次の3種類があります。

1.「事業場外みなし労働時間制」

  • 労働者が業務の全部又は一部を事業場外で従事し、使用者の指揮監督が及ばないため労働時間の算定が困難であるために、一定時間労働したとみなすこと。

2.「専門業務型裁量労働制」

  • 業務の性質上、業務遂行手段及び時間配分を大幅に労働者に委ねる必要があり、使用者が具体的な指示を行うことが困難となる。その結果として使用者の指揮命令が及ばないために、その時間を全て労働時間であるとする労働時間管理になじまず、従って一定時間労働したとみなすこと。

3.「企画業務型裁量労働制」

  • 労働者が自らの知識、技術や創造的能力を生かして、仕事の進め方や時間配分に主体性を持って働いてもらうことによって十分に能力発揮できる環境づくりのために、労働時間管理から切り離して一定時間労働したとみなすこと。
  • 上記の3つに共通するのは、対象労働者が使用者の直接の指揮命令下にないということです。この「みなし労働時間制」をフレックスタイム制と混同する方がいますが、フレックスタイム制はあくまでも厳密な労働時間管理が求められる仕組みであり、1か月ごとに労働時間を清算しなければならないが、みなし労働時間制には「清算」という発想はありません。
  • みなし労働時間制といえども、労働者の健康確保を図るために労働時間の管理が求められます。従って、裁量の名のもとにその管理を自己申告のみに任せていると労働基準監督署から是正指導として指摘されることもありますので、一定の対応要件が必要となります。

4.労働時間の適用除外=管理監督者(第41条)

  • 管理監督者が労働時間、休憩、休日に関する規制が適用除外とされる理由は、本来、(1)これらの者が経営者と一体的な立場にあるため、通常の労働時間の枠を超えて労働することが要請されるという経営上の必要、(2)出退勤等の自己の勤務時間についても、ある程度自由裁量を働かせることができるため、規制を行わなくても保護に欠けない、等のことからです。
  • よくある間違いは、「我が社では課長以上は管理監督者」と会社が勝手に決めてしまうことです。従って、行政指導においても、判例においても、実態によって客観的に判断しております。法第41条の趣旨から、管理監督者の範囲は極めて限定されるということに十分注意しておくべきです。
お問合せ・ご相談はこちら

ページのトップへ

a:2677 t:1 y:1

powered by Quick Homepage Maker 3.71
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional